『絵画の書』
それは、かの万能の天才レオナルド・ダ・ヴィンチが遺した知恵と思考の結晶。
彼の言葉は難解に思えますが、たくさんのことを学ぶことができると思いますので一緒に楽しく読み解いて行きましょう。
今回は「模倣することについて」です。
ド素人なので考察の程度はお察しくださいませね。
是非一緒に考えてみてください。
絵画の書 模倣することについて
[81]画家たちを模倣することについて
画家たちに向かってわたしは、いかなる者も他の画家の描き方を真似すべきではないと言おう。なぜなら、そのような芸術は、自然の子でなく、自然の孫と呼ばれることになるからだ。自然物は実に豊富にあって、師匠たちもその自然から学んだのであるから、そのような師匠たちから学ぶよりも、自然から学ぶ方が望ましいし、またそうすべきである。私がこのような訓戒をするのは、絵画によって金持ちになろうとする人にではなく、この芸術によって名声と名誉を得たいと思っている人々に向かってである。
引用-レオナルド・ダ・ヴィンチ 絵画の書 第二部 画家の教則
「他の画家たちの描き方を真似するのではなく、自然から学ぶ方が望ましい。」と仰っています。
なぜなら、自然の子ではなく、自然の孫と呼ばれてしまうから。
ん?自然の子、自然の孫ってなんのことでしょうか?
自然の子と孫ってドユコト?
自然から直接模倣した創作物を「自然の子」とし、創作物から模倣したものを「自然の孫」と言ってます。
図にして見ました。
自然を直接模倣した創作物を自然の子とするなら、自然の子を模倣した創作物は自然の孫となるわけですね。
描くべきは『自然の孫』ではなく、『自然の子』?
彼は自然の孫ではなく、自然の子を描くべきだと言っています。
自然から学び、描くということ。
彼は絵画だけでなく数学や医学などにも精通していて万物の天才と称されていますが、それは自然の中にこそ万物の法則や秘密が隠されていると考えていたからなのでしょうか。
オウム貝に見られる黄金比やひまわりの種に見られるフィボナッチ数列などは自然界から発見することができます。
彼はそう言った根源的な存在から模倣する作品を推奨しているようです。
あとがき
自然から描くということを推奨されていますが、他人の作品や描き方からインスピレーションやヒントが得られることももちろんありますよね。
ただ、そのインスピレーションやヒントを手がかりに何に惹かれたのか、その根源に迫っていくというアプローチが良いのかもしれません。
色彩感覚なのか、比率、構図なのか、テーマなのか…。
大雑把に捉えると、目指すべきは自らの目で捉えた独自の表現である。ということですかね。
先人の作家や作品から技術を学ぶのはとても良いことだと思いますが、それを糧として独自の表現方法を模索していくことが絵描きの醍醐味でもあり、絵かきの道なのかもしれません。
自然の秘密が隠されていそうな神聖幾何学や黄金比などについても勉強していきたいと思います。
途方もない世界にワクワクします。
それではまた。