天使のキスの絵で有名なウィリアム・アドルフ・ブグローとは?代表作と魅力

こちらの天使がキスしている絵、どこかで見たことありませんか?

ウィリアム・アドルフ・ブーグロー《アモルとプシュケ》1890年の油絵作品
ウィリアム・アドルフ・ブグロー《アモルとプシュケ》1890年
William-Adolphe Bouguereau, Wikimedia Commons(Public domain)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Bouguereau_first_kiss.jpg

レストランやカフェ、サイゼリアなどのお店で見たことがある方も多いのではないでしょうか。

頬を寄せ合う天使たち。
やわらかな肌の質感、今にも動き出しそうな肉体表現。

まるで本当に存在しているかのようなリアリティと重量感を感じさせます。

この作品は、19世紀フランスのアカデミズム絵画を代表する画家、
ウィリアム・アドルフ・ブグローによって描かれました。

目次

ブグローとは

ウィリアム・アドルフ・ブーグロー《自画像》1879年の油絵作品
ウィリアム・アドルフ・ブグロー《自画像》1879年
画像出典:wikipedia Commons(Public Domain)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Self_portrait,_by_William_Bouguereau.jpg

写実的で完璧な人体表現を得意とし、神話・天使・宗教・寓意をテーマに数多くの作品を残しました。

当時のフランス美術界においては、いわゆる「アカデミズム(正統派)」の中心的存在。
サロンでも高い評価を受け、名声・地位ともにエリート街道を歩んだ画家です。

自画像を見ると、その卓越した描写力にただただ驚かされます。
肌、髭、布の質感、どれを取っても隙がありません。

ブグローのような滑らかな肌表現や重厚な質感は、
油絵ならではのグレーズ技法やメディウム使いによって生まれます。

▶︎ 油絵のオイル・メディウムの種類と使い方はこちら

印象派によって忘れられた?

しかし現代では、

「ゴッホやモネは知ってるけど、ブグローは知らない」

という人も多いかもしれません。

その理由は、彼が生きた時代の転換期にありました。

同時代に登場した新しい芸術

ブグローが活躍した19世紀後半のフランスでは、

  • フィンセント・ファン・ゴッホ
  • クロード・モネ

などに代表される印象派が台頭。

それまで主流だった古典的・写実的なアカデミズムに対し、

「古典派って古くない?これからは光と色彩の印象派の時代でしょ」

という価値観の転換が起きていきます。

評価の逆転現象

結果として、

  • 印象派 → 革新的で近代的
  • アカデミズム → 古く保守的

というイメージが定着。

生前は絶大な人気を誇ったブグローも、
20世紀に入ると次第に評価を落としていきました。

再評価は20世紀末

しかし、

写実技術の再評価、クラシック回帰の流れの中で、
ブグローの技巧は再び脚光を浴びます。

本格的に再評価が進んだのは20世紀末頃

時代の流行によって忘れられ、
そして再び発見される。

芸術史の面白いところでもありますね。

ブグローの作品

ウィリアム・アドルフ・ブグロー《歌を歌う天使たち》1881年の油絵作品
ウィリアム・アドルフ・ブグロー《歌を歌う天使たち》1881年
画像出典:wikipedia Commons(Public Domain)
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:William-Adolphe_Bouguereau_(1825-1905)_-_Song_of_the_Angels_(1881).jpg

あとがき

天使や神話の存在を、まるで現実に存在していたかのように描き出す、
それがブグローの持つ至高の表現力だと思います。

実物作品を見てみたいところですが、日本では展示機会も多くなく、なかなか叶いません。

画集の種類も豊富とは言えませんが、カラー図版が多く掲載されたものを一冊持っておくと、ブグローの世界観をじっくり堪能できます。

ブグローは作品点数が多く、
ネットでは断片的にしか見られません。

画集でまとめて見ると、
構図・色彩・人体表現の完成度がよくわかります。

写実表現を学びたい方、
人体表現を研究したい方には特におすすめです。

著:Wissman, Fronia E.
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