せっかく時間をかけて描いた色鉛筆画。
それなのに数年後、色が薄くなってしまったら悲しいですよね。
実は色鉛筆作品の寿命は、使う画材によって大きく変わります。
そのポイントになるのが 「耐光性(たいこうせい)」 です。
耐光性とは、光(特に紫外線)に長時間さらされたときに
色がどれだけ変化しにくいかを示す性能のこと。
この記事では
- 色鉛筆の耐光性とは何か
- 色褪せにくい色鉛筆ブランド
- 作品を長持ちさせる保存方法
を、画材データをもとに解説します。
結論から言うと、耐光性を重視するなら次の3つの色鉛筆が定番です。
- Derwent Lightfast(ダーウェント ライトファスト)
- Faber-Castell Polychromos(ファーバーカステル ポリクロモス)
- 三菱鉛筆 Uni Color(ユニカラー)
本格的な作品を描く人ほど、耐光性は重要になります。
色鉛筆の「耐光性」とは?
色鉛筆の耐光性は、主に 光による色の変化にどれだけ強いかで評価されます。
特に作品を飾る場合は、
紫外線の影響で顔料が化学変化を起こし、色が変わることがあります。
耐光性は次のような国際基準で評価されます。
ASTM規格
色鉛筆の耐光性評価でよく使われる国際基準です。
評価は 1〜5段階
- I(最高)
- II
- III
- IV
- V
このうち、I と II は「100年レベルで色が安定する」耐光性
とされています。
ブルーウールスケール
もうひとつの代表的な耐光性基準です。
評価は 0〜8
- 8 → 最高耐光性
- 6以上 → 高い耐光性
プロ用画材では
6以上が望ましいとされています。
色鉛筆は本当に色褪せるの?
色鉛筆の色は、時間とともに少しずつ変化することがあります。
特に影響が大きいのが 紫外線(UV) です。(肌にも大敵!)
色鉛筆の芯には顔料が使われていますが、顔料の種類によっては光によって化学変化を起こし、次のような現象が起きます。
- 色が薄くなる
- 色が変化する
- 色が消える
ただし、すべての色鉛筆がすぐ色褪せるわけではありません。
耐光性の高い色鉛筆を使えば、数十年〜100年以上色を保つことも可能です。
そのため、本格的な作品制作では
耐光性を基準に色鉛筆を選ぶことが重要になります。
色鉛筆で特に色褪せやすい色
色鉛筆の中でも、顔料の性質によって耐光性は大きく違います。
一般的に色褪せやすいといわれるのは次の色です。
- ピンク
- 紫
- 赤
- 一部の蛍光色
これらの色は鮮やかな反面、
耐光性が低い顔料が使われることが多いためです。
反対に、次の色は比較的安定しています。
- 茶色
- オーカー
- 黒
- 青系
そのため長期保存を前提に作品を作る場合は、
耐光性の高い色を中心に構成するのも一つの方法です。
耐光性の高いおすすめ色鉛筆
ここからは、耐光性の評価が高いことで知られる色鉛筆を紹介します。
本格的な作品制作をするなら、
このあたりを選んでおくと安心です。
Derwent Lightfast(ダーウェント ライトファスト)
耐光性を最優先に設計された色鉛筆です。
シリーズ名の「Lightfast」も
耐光性そのものを意味しています。
特徴
- 全色ASTM I または II
- 美術館環境で 100年耐光性
- 油性色鉛筆
- 重ね塗りが強い
耐光性を重視するなら、
現在もっとも安心感のある色鉛筆のひとつです。
油彩のような深い重ね塗り表現ができるのも魅力です。
Faber-Castell Polychromos(ポリクロモス)
世界中のプロに長く愛用されている色鉛筆。
1908年の発売以来、
色鉛筆の定番プロモデルとして知られています。
特徴
- 高品質顔料を使用
- 硬めの芯で細密描写に強い
- 耐光性表示あり
ポリクロモスは色ごとに
星マークで耐光性が表示されています。
- ★★★ → 非常に高い耐光性
全色が最高耐光性ではありませんが、
安定した品質でプロに信頼されているシリーズです。
三菱鉛筆 Uni Color(ユニカラー)
日本のプロ向け色鉛筆。
海外ブランドほど耐光性データは公開されていませんが、
色の純度と発色の良さに定評があります。
特徴
- 高彩度顔料
- なめらかな描き味
- ブルーミングが出にくい
特に日本の作家には
繊細な中間色表現がしやすい色鉛筆として人気です。
| 色鉛筆 | 芯タイプ | 耐光性 | 色数 | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| Derwent Lightfast | 油性 | 全色ASTM I / II | 100色 | 100年耐光性を保証 |
| Polychromos | 油性 | ★表示 | 120色 | プロ定番色鉛筆 |
| Uni Color | ワックス | 非公開 | 100色 | 日本製で発色が良い |
耐光性だけで選ぶなら、
ダーウェントのライトファストがもっとも安心感のある色鉛筆です。
一方で、細密描写や重ね塗りのコントロールを重視するなら
ポリクロモスを選ぶ作家も多いです。
ユニカラーは耐光性データは少ないものの、
日本製らしい繊細な色調が魅力の色鉛筆です。
色鉛筆作品を長持ちさせる保存方法
耐光性の高い色鉛筆を使っても、
保存環境が悪いと劣化が早くなります。
作品を長持ちさせるためには
次のポイントを意識しましょう。
直射日光を避ける
色褪せの最大の原因は 紫外線です。
作品を飾る場合は
- UVカット額装
- 直射日光を避ける
この2つが重要です。
酸を含まない紙を使う
画用紙によっては酸を含むものがあります。
酸は紙の黄ばみや劣化の原因になります。
作品用には
acid-free(中性紙)
と表示された紙を使うのがおすすめです。
制作中の粉を残さない
色鉛筆の削りカスや粉を放置すると
紙面の汚れや劣化の原因になることがあります。
制作中は
- ブラシで軽く払う
- 手でこすらない
といった基本的なケアも大切です。
まとめ
色鉛筆作品を長く残すためのポイントは次の3つです。
- 耐光性の高い色鉛筆を使う
- 光の影響を避ける
- 保存環境を整える
耐光性の高い色鉛筆としておすすめなのは
- Derwent Lightfast
- Faber-Castell Polychromos
- 三菱鉛筆 Uni Color
です。
色鉛筆は、使う画材によって
作品の寿命が大きく変わります。
長く残したい作品を描くなら、
ぜひ耐光性も意識して色鉛筆を選んでみてください。
