レオナルド・ダ・ヴィンチ『絵画の書』
このシリーズ『絵画の書』では、レオナルド・ダ・ヴィンチの遺した言葉や作品から学び、絵描きとしての考え方や表現のヒントを読み解いていきます。
今回は「模倣すること」について、一緒に考えてみましょう。
絵画の書 模倣することについて
画家たちに向かってわたしは、いかなる者も他の画家の描き方を真似すべきではないと言おう。なぜなら、そのような芸術は、自然の子でなく、自然の孫と呼ばれることになるからだ。自然物は実に豊富にあって、師匠たちもその自然から学んだのであるから、そのような師匠たちから学ぶよりも、自然から学ぶ方が望ましいし、またそうすべきである。
― レオナルド・ダ・ヴィンチ『絵画の書』第二部 画家の教則
彼の言葉を現代語でまとめると、
「他の画家の描き方を真似するのではなく、自然から学ぶ方が望ましい」
理由は、自然の孫ではなく、自然の子である作品を描くべきだからです。
自然の子と自然の孫とは?
- 自然の子:自然を直接観察して描いた作品
- 自然の孫:他者の作品を模倣して描いた作品
図にすると、自然を直接描いたものが「子」、その子を真似た作品が「孫」ということですね。

自然から学ぶことの意味
レオナルドは絵画だけでなく、数学や解剖学、天文学などにも精通していました。それは自然の中に万物の法則や美の秘密が隠されていると考えていたからかもしれません。
たとえば、
- オウム貝の螺旋 → 黄金比
- ひまわりの種 → フィボナッチ数列
こうした自然の根源から学ぶことを推奨しているわけです。
他者作品との向き合い方
もちろん、先人の作家や作品からインスピレーションやヒントを得ることは良いことです。
大事なのは、「何に惹かれたのか」を探ること。
- 色彩感覚
- 比率や構図
- テーマやモチーフ
こうして、自分の目で捉えた独自の表現を模索するのが、絵描きの醍醐味です。
まとめ
今回の記事から学んだことは:
- 他人の描き方ではなく自然から学ぶ
- インスピレーションの根源を見極める
- 独自の表現を追求する
自然の秘密を読み解く過程には、黄金比や神聖幾何学などの学びも関わってきます。
途方もない世界ですが、それこそがワクワクする醍醐味ですね。
次回予告
次回は『絵画の書②』として、レオナルドが考えた「絵の上達方法」について読み解きます。
【絵画の書②】脳内素描を実践せよ!ダ・ヴィンチ流絵の上達法

