アラプリマ技法とは?
アラプリマ(alla prima)とは、イタリア語で「一度で」「一気に」という意味を持つ言葉です。
絵画においては、
下描きや乾燥を待たずに、一気に描き上げる技法を指します。
日本では「一発描き」「プリマ描き」とも呼ばれ、
油絵ならではのスピード感と臨場感を活かした表現が特徴です。
アラプリマ技法の特徴|なぜ魅力的なのか
アラプリマは、古典的な油絵技法とは対照的な描き方です。
従来の油絵では
- 下描き
- 下塗り
- 乾燥
- グレーズ(重ね塗り)
といった工程を重ねて制作していきます。
一方アラプリマでは
そのプロセスを省き、一気に仕上げる
即興性と勢いのある筆致
アラプリマ最大の魅力は
- 即興的
- 感覚的
- スピード感
にあります。
絵の具が乾かないうちに描き進めるため、
- ウェットインウェット
- ドロッピング(たらし込み)
といった技法とも相性が良く、
のびやかで生きた線やタッチが生まれます。
感動をそのまま画面に乗せられる
アラプリマは「今感じたこと」をそのまま描ける技法です。
時間をかけすぎると薄れてしまう
- 光の印象
- 空気感
- 色の鮮度
それらをダイレクトに表現できるのが大きな魅力です。
アラプリマ技法の代表的な画家
アラプリマ技法の使い手として知られるのが
フランス・ハルスです。

After Frans Hals, Public domain, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Hals_-_Self-Portrait_copy.jpg
フランス・ハルスの表現
ハルスの肖像画は
- 生き生きとした表情
- 一瞬を切り取ったような動き
- 力強い筆致
が特徴です。

Frans Hals, Public domain, via Wikimedia Commons
https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Frans_Hals_002.jpg
モデルの「その瞬間」を捉えた描写は、
まさにアラプリマ技法の真価といえます。
描写力と即興性が融合した完成度の高さ
これは、基礎的なデッサン力があってこそ成立する表現です。
【実践】アラプリマで風景画を描いてみた
今回は、近くの公園に咲いていたチューリップをモチーフに制作しました。
手順(シンプル)
- 下描きなしでスタート
- 大まかな色と形を一気に置く
- 乾かないうちに塗り重ねる
- 細部は最低限に抑える
迷わず描くことがポイント
完成

描いてみた感想|アラプリマは楽しいが奥が深い
実際に描いてみて感じたのは、とにかく楽しい。
直感的に描けるので、描いている時間そのものが気持ちいいです。
景色を見て感覚的に色を置いていく純粋な描画体験の楽しさを実感できます。
同時に、粗さも目立つので即興で魅せる絵にするには経験的な蓄積が必要だと感じました。
メリット
- スピード感がある
- 筆致が生きる
- 感動をそのまま表現できる
デメリット
- 深み(層の厚み)は出しにくい
- 修正が効きにくい
- 技術がそのまま出る
気づいたこと
アラプリマは自由に見えて
実はかなり基礎力が問われる技法
だと感じました。
- 形の理解
- 色の判断
- 筆のコントロール
これらを瞬時に行う必要があります。
まとめ|アラプリマは「今」を描く技法
アラプリマ技法は
感動をそのままキャンバスに写すための技法です。
時間をかけて積み上げる技法とは違い、
- 一瞬の光
- 空気感
- 感情
をダイレクトに表現できます。
油絵の具の可能性を強く感じる技法なので、
これからもさらに探求していきたいと思います。

