【油絵の描き方】カマイユ技法とグレージングで猫を描いてみた

今回は油絵を描いてみたので、その過程をまとめてみました。

油絵と聞くとゴッホのような厚塗りをイメージされる人も多いかもしれませんが、

古典的な技法である“カマイユ技法”“グレージング”を使ってみました。

それはどんな技法で、どうやって描くのか?

自分なりに調べて、実際に描いてみて、まとめてみましたので参考の一つにしてみてください。

目次

カマイユ技法とは?

カマイユとは単色画を意味します。

たくさんの色を使わず、単色で明暗を描く方法です。

この描き方は明暗法、陰影法と呼ばれ、イタリア語ではキアロスクーロと言います。

同じ単色画でも色の違いで名前が変わってきます。

  • グリザイユ=灰色
  • シラージュ=黄褐色
  • ベルダイユ=鈍緑色

グレーのモノトーンで描く“グリザイユ技法”なんかはよく耳にすることが多いですね。

紛らわしいので図にしてみました。

カマイユという括りの中で色ごとに名前がついてます。

グレーズ、グレージングとは?

陶器の釉薬をグレーズ(glaze)と呼びますが、油絵では透明な絵の具を薄くかけて深みのある色を画面上に作っていく技法を指します。

グレーズやグレージングと呼ばれるこの技法は油絵の醍醐味とも言えるほど重要な技法です。

他の絵具では表現できないほどの透明感と深みを表現できます。

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使用した道具

  • 油絵の具
  • ペインティングナイフ
  • テレピン
  • ペインティングオイル
  • ボロ布(着古したシャツなど)
  • F4張りキャンバス
  • ワイヤーブラシ

使用した色

  • シルバーホワイト 半透明
  • イエローオーカー 不透明
  • バーントアンバー 半透明
  • ローシェンナ   半透明
  • イタリアンピンク 透明
  • コバルトブルー  半透明
  • カドミウムレッド 不透明

絵の具には透明、半透明、不透明とあります。

筆:ホルベインリセーブル1100シリーズ

豚毛よりも柔らかめのリセーブルなのでグレーズがしやすく大変使いやすいです。

フィルバートとラウンドの8号、10号あたりを使っています。

ホルベイン画材(Holbein Art Materials)
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描き方

①カマイユ

バーントアンバーをテレピンで溶き、おつゆ描きしたらシルバーホワイトで明るい部分を描いていきます。

シルバーホワイトが乾く前に上からワイヤーブラシで擦ります。グレーズした時に溝の部分に絵の具が入り込み、毛の質感が表現できます。

明度は高めにしてあります。

②グレーズ

カマイユが乾いたら固有色をグレージングしていきます。

茶トラなのでローシェンナ、イエローオーカー、イタリアンピンクなどの黄色〜茶系で薄く色を乗せていきます。

イタリアンピンクはピンクと書いてあるのに綺麗な透明の黄色です。

この時に使用するオイルはペインティングオイルを多めにしていきます。

③加筆修正して完成

固有色をグレーズしただけでは単純すぎるので暗部にコバルトブルーを薄くグレーズして画面を引き締めます。

あとがき

油絵は奥が深くて楽しいですね。私もまだまだ描き切れていない自覚はありますが、これをキッカケとして一人でも多くの人に油絵が好きになってもらえたら嬉しいです。

余談ですが、今回描いたこの猫は私が高校生の頃やってきてくれました。本当にたくさんの幸せを運んでくれて、家族の笑顔がとても増えました。もう亡くなりましたが、絵にして飾っているといつでもそこにいてくれる気がします。

参考にした書籍

著:ジュリエット・アリスティデス, 編集:平谷 早苗, 翻訳:株式会社Bスプラウト
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