日本画材料である顔彩に墨が含まれているとのことで、一体どんな色なのかワクワクしながら使ってみました。また、墨を含んだ絵具は書画材メーカーの墨運堂から『絵墨』という商品が既に発売されています。両者にどのような違いがあるのかも比較してみました。使用感、色味に関心のある方、購入を迷われている方は参考にしてみてください。
彩美墨とは?
彩美墨は吉祥顔彩と古梅園油煙墨を独⾃製法で粉砕する事で「美妙」な⾊感を出すことができました。
⾊の濃い処は墨⾊が強く。⾊の薄い処は顔彩⾊が強く。
中間は墨に含まれる膠の効果で艶のある⾊に仕上がってます。墨の薫りがする顔彩です。
引用元:吉祥 彩美墨20⾊セット
彩美墨は、吉祥と古梅園がコラボして作った墨感のある顔彩とのことです。濃いところは墨感が強く、薄いところは顔彩色が強く出るとのこと。墨を混ぜた顔彩とはどのような色で、どんな表現ができるのか。新しい色はわくわくしますね。
どんな色?
気になる色味を見ていきます。色数は全部で20色、全て色出ししてみました。
墨燕脂
墨黄土
墨黄
墨白緑
墨緑
墨群青
墨代赭
墨紅
墨水群青
墨紫
墨白群
墨辰砂
墨鶯
墨草
墨柳
墨紅梅
墨栗茶
墨藍
墨群録
墨朱
思っていたより色鮮やかで驚きました。絶妙に燻んだ色が渋くていいですね。日本人的と言いますか、好きな人にはバッチリハマるのではないでしょうか。ちなみに僕にはクリティカルヒットです。墨白群好き。ジャパネスクカラーとして海外でも人気が出そう。
彩美墨で描いてみた
試し描きしてみました。水彩絵具と似たような使用感です。違いとしてはやはり色味。濃く使うと黒めの色になりますが、水を多めにすると、思っていたよりも鮮やかな色になります。
絵の具が多くなる部分は艶が出ます。溶けやすさは違和感なく使えますが、少し堅めの印象。
水彩紙はホワイトワトソンを使用しました。にじみ、ぼかし、ウォッシュなど、水彩表現も問題なくできます。
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どこで買える?
Amazon、楽天、yahooで購入できます。発売当初は品薄でなかなか買えませんでしたが、現在は店頭でも買いやすい状況のようです。最寄りの画材屋さんにも置いてありました。
絵墨との違い
墨が含有された絵具の比較対象として、墨運堂の絵墨と比べてみました。絵墨も人気のある画材です。独特の雰囲気が出せますので水彩画、イラスト制作などで使えます。
バインダー
彩美墨…膠(にかわ)
絵墨…アラビアゴム
絵具には顔料を定着させるためのバインダー(展色剤)と呼ばれる糊材が入ってます。油絵ならオイル、アクリル絵の具ならメディウム、水彩絵具ならアラビアゴムなど。彩美墨は顔彩と同じ膠。絵墨は水彩絵具と同じアラビアゴムとのこと。
色数
彩美墨…20色
絵墨…12色(絵墨6色、絵墨明6色)
色数の多さは彩美墨が8色多いです。ただ、今のところ単色では販売されておらず、追加で欲しい色があった場合にリピートできないのが難点。絵墨は単色での買い足しができます。
価格(税抜)
彩美墨…20色セット 定価4,900円 単色1個あたり 245円
絵墨…6色セット 定価1,200円 単色1個あたり 200円
単色1個あたりの価格は絵墨が45円安く、コスパの面では絵墨が良さそうです。ただ、シュメンケやセヌリエの水彩絵具に比べれば全然安く感じますね。
彩美墨は渋くて良い色 ギフトにもおすすめ
ということで彩美墨を使ってみました。一見、黒くて扱いづらそうなイメージでしたが、溶かしてみると色彩が伸びてとてもキレイでした。和風なニュアンスカラーが独特でおもしろいので、水墨画風の作品に仕上げたり、和作品のイラストなんかにも使えそうです。
独特な色味20色セットの満足感でお値段が5000円というのも絵を描く人への贈り物にも喜ばれそうですね。ぜひお試しください。