【書評】『トリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える野鳥の秘密』が可愛くて面白い

かわいくておもしろい本に出会いました。

タイトルは『トリノトリビア 鳥類学者がこっそり教える野鳥のひみつ』です。

鳥類学者の川上和人氏の監修で、絵は鳥マンガ家のマツダユカ氏。

つまり鳥好きにとっては「たまらない本」の一つでしょう。

右のページがカラーの4コママンガで左が解説ページという構成なので、サクサク読めてもちろん鳥好きじゃなくても楽しく読むことができます。

執筆は川上氏に加え、三上かつら氏、川嶋隆義氏の3人で書かれています。

とても素敵な本だったので少しだけレビュー。

目次

カラスはイノベーターだった?

カラスは遊んで生き残る

カラスは都市という新たな環境で新たな食物を開発することで繁栄し、イノベーションの力を見せつけてくれています。

引用-トリノトリビア

カラスは滑り台を滑ったり、電線にぶら下がったり、風を受けて転がったりといった遊びをすることがあるそうです。カラスが他の鳥に比べて賢いというのは聞いたことがありましたが、遊ぶことがあるというのは知りませんでした。こういった一見無駄とも思えるような遊びの行動が、好奇心の発露として新たな環境に適応する力になっているのではないかと、そのようなことが書かれています。

つまり、遊び心がイノベーションを生み出す。ということをカラスは伝えているんですね。

他にもカラスは新建材を積極的に使うらしいです。確かにハンガーの巣は私も実物で見たことがあります。従来のやり方に捉われないその姿は考えてみればイノベーターでもあり、ハンガーの巣は現代アートっぽくもありますね。

スズメは農家を助けている?

スズメなどの小鳥が、子育てのために捕らえる虫はかなりの量。スズメを駆除してしまって、農地で害虫が大発生したということが、フランスや中国で実際にあったんだって。

引用-トリノトリビア

スズメなどの小鳥は昆虫が増える初夏の頃に、ヒナが育ち盛りになるタイミングで繁殖するそうです。虫が増え出すときに鳥の食欲も増え農作物にとっても、ちょうど良いバランスが保たれている。この三方よしの関係が理想ですね。

自然というのは本当によく出来ているというのを実感させられます。我々人間も鳥や虫の居場所を奪いすぎてはいけないですね。結局は鳥にも虫にも生かされているのですから。最近はスズメを見ることが減ったという話も聞きます。自然と調和、共生する社会を作っていきたいですね。本当に。

足が速いアイツはハクセキレイって知ってた?

知ってましたか?アイツの名前。ホラ、白くてピコピコして足が速いやつ。

ハクセキレイっていうらしいですよ。知らなかった〜。

鳥も飛ぶのは疲れるみたいで飛ばなきゃいいなら飛ばないタイプもいるらしいです。そのうちの一つがハクセキレイ。

できるけどやらない。あれ、誰かに似てるな?

あとがき

普段、鳥については「鳴いてるな〜」くらいにしか考えることはあまりないのですが、そういえば鳥好きだったんです。

小さい頃、仏壇にお供えしていたお米を庭に撒くことがありました。スズメがチュンチュンと食べに来ていて、それをカーテンの隙間からこっそり見ていました。冬はふっくらと膨らんでいて、食べ終わったかと思えば砂を被ったりして、その一連の行動を「可愛いなぁ」と思いながら見ていたのをふと思い出しました。全部意味があったんですね。十数年越しの謎が解けたようで良かったです。

マンガの中の鳥たちがそれぞれ個性的に可愛く描かれていて思わず笑ってしまいます。キジバトの雑な性格がなんか自分に似ているように感じて笑ってしまいました。

他にも「ハトはなぜ首を振るのか。」というのも知れてスッキリしました。マンガもすごく面白いし解説もとても勉強になる本なので是非、読んでみてください。

それでは。

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