絵の具は何からできている?絵の具の種類とその違い

絵の具には油絵の具、水彩絵の具、アクリル絵の具などの種類があります。

それぞれ何が違うのかまとめてみました。

目次

絵の具とは

すべての絵の具は色のついた粉(顔料)からできています。

色の元になる粉とそれを接着させるのりがなければ絵にすることができません。

絵の具とは色のついた接着剤です。

色のついた粉とは

色の粉には大きく分けて染料顔料の2種類あります。

染料の特徴

  • 油・水に溶け込む。染みるので描きにくい。
  • 染料の上から描くと上に塗った色材に溶け出す。
  • 色を重ねることができない。
  • 耐光性がないので保存作品には向かない。
  • 顔料に比べて色が鮮やか。

顔料の特徴

  • 油・水に溶けない。
  • 溶け込まないので描きやすい。
  • 耐光性があるので作品が長持ちする。

絵の具の種類

接着剤の違いによる絵の具の種類があります。

  • 膠⇨日本画
  • 卵⇨テンペラ
  • アラビアゴム⇨水彩
  • 油⇨油絵具
  • 蝋⇨オイルパステル
  • アクリル樹脂⇨アクリル絵具

油絵の具


組成:油+顔料

絵の具の王様、油絵の具。ポピーオイルやリンシードオイルなどの乾性油と顔料の組み合わせから成っています。油絵の具は酸素と油が結合する酸化重合という化学反応で固化します。強靭な塗膜ができ、多様な表現方法が可能です。西洋で生まれ発展してきました。

岩絵の具・水干絵の具(日本画)


組成:膠+顔料

岩石から砕いた粉を膠で溶いて定着させます。粒子の大きさで番手が分かれています。日本画というだけあって歴史は古く伝統があります。日本画は洋画に比べて陰影がなく平面的です。線画を用いて描かれていて色は淡く独特な雰囲気で女性や花鳥風月が描かれることが多いです。岩絵具は高価なため絵に慣れるまで顔彩絵の具や水干絵具、水彩から始めると良いかもしれません。

水彩絵の具


組成:アラビアゴム+顔料

非常にポピュラーな絵の具です。水で溶いて描画します。絵の具の組成ですが学童用の安価な絵の具はデンプンと顔料で作られていたりしますが、主にアラビアゴムと顔料でつくられています。アラビアゴムは水溶性で固まった後も水で再び溶けます。その手軽さで人気のある絵の具です。

アクリル絵の具


組成:アクリル樹脂+顔料

アクリル絵の具はアクリル樹脂やビニル樹脂などの合成樹脂で作られた近代の絵の具です。絵の具の使い方で油絵風や水彩風に描ける多様な描き方が可能で、扱いやすさが好まれています。水で溶いて描けますが乾くと耐水性になります。豊富なメディウムも販売されていて描き手の幅広いニーズに応えられる優れた絵の具です。

テンペラ絵の具

組成:卵黄+顔料

油絵の具が生まれる前に使われていた絵具で顔料と卵黄を混ぜ合わせて壁に定着させていました。教会のイコン画などがテンペラで描かれています。

まとめ

基底材 備考
油絵の具 乾性油 キャンバス、板 乾きが遅い
岩絵の具 和紙、絹 岩絵具が高価
水彩絵の具 アラビアゴム 水彩紙 透明水彩、不透明水彩がある
アクリル絵の具 合成樹脂 キャンバス、紙 乾きが速い
テンペラ絵の具 卵黄 漆喰、板 要防腐剤

今回調べたことでわかったことは絵の具の違いは糊の違いだということと、糊の定着のしやすさに合わせて適した基底材があるということの2点です。絵の具のポテンシャルを最大限生かせるよう、それぞれの特性を理解していきたいです。

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