【画材別】絵の保護スプレーの選び方|フィキサチーフとワニスの違い

絵を描いたあと、作品の保護はしていますか?

せっかく完成させた作品も、時間の経過とともに変化していきます。

擦れ・ホコリ・紫外線・湿気・・・
これらはすべて作品の劣化要因です。

特に木炭やパステルなどの粉状画材は、少し触れただけで表面が崩れてしまいます。また水彩画や版画も、光やカビの影響を受けやすい画材です。

そこで重要になるのが、

フィキサチーフ(定着スプレー)とバーニッシュ(保護ワニス)

本記事ではこの2つの違いと、画材別の正しい使い分けを解説します。

目次

フィキサチーフとバーニッシュの違い

よく混同されますが、役割は異なります。

フィキサチーフ(定着剤)

  • 粉状画材を固定させる
  • 紙に浸透して定着させる
  • 主に鉛筆・木炭・パステル向け

バーニッシュ(ワニス)

  • 表面をコーティングする
  • ツヤやマット感を調整する
  • 紫外線や湿気から守る

簡単に言えば、

「崩れを防ぐ」のがフィキサチーフ
「外部から守る」のがバーニッシュ

です。

作品の大敵と保護の必要性

作品は完成した瞬間から少しずつ変化を始めます。
主な劣化要因は次のとおりです。

  • ホコリ
  • 湿気
  • 寒暖差
  • 摩擦や衝撃

特に紫外線は色褪せの大きな原因になります。
水彩やインクは影響を受けやすく、展示環境によって数年で色味が変わることもあります。

また、湿気やカビは紙の波打ちや汚れの原因になります。
日本のような高湿度環境では、保護処理の有無が保存状態を大きく左右します。

フィキサチーフやバーニッシュは、こうした外的要因から作品を守る”薄い盾”の役割を果たします。

使用前の注意点

スプレー系は便利ですが、正しい使い方が重要です。

  • 必ず換気を行う
  • 屋外または風通しの良い場所で使用する
  • マスクを着用する
  • 画面から20〜30cm離して均一に吹き付ける

一度に厚塗りせず、薄く数回に分けるのが基本です。

また、いきなり本番作品に使用せず、必ず試し吹きをしましょう。種類によっては色味がわずかに濃くなったり、ツヤが出たりします。

「仕上がりが変わる可能性がある」

この認識を持っておくことが大切です。

【画材別】おすすめの保護方法

鉛筆・木炭

粉状画材は非常に擦れやすいため、フィキサチーフはほぼ必須です。紙に浸透して定着するタイプを選びましょう。
特にデッサンは額装時での摩擦でも崩れることがあります。
軽く一層描けるだけでも安心感が違います。

パステル

パステルは層を重ねる画材なので制作途中で軽くフィキサチーフを吹くと画面が安定します。重ね描きもしやすくなり、発色も安定します。一石三鳥です。
ただし、かけすぎると粉の柔らかさが失われるため、最小限に留めるのがコツです。
なお、パステルフィキサチーフはアクリル系溶剤のため、パステル作品だけでなく、スマホやプラスチックなどにも応用できました。別記事で詳しく解説しています。
▶︎スマホのサインを保護する方法|フィキサチーフ検証

水彩

水彩は「定着」よりも「紫外線対策」が重要です。
UVカットタイプのバーニッシュを使用すると、色褪せを緩やかに抑えられます。長期保存する場合は額装と併用するのがおすすめです。

こちらは水彩画用保護ワニスで防カビ効果があります。

こちらは紫外線対策のUVカット+ツヤありのグロスバーニッシュ。

こちらはUVカット+ツヤ消しのマットバーニッシュです。

油彩

油絵は完全乾燥後(目安としては半年以上)にタブロー(仕上げ用ワニス)を使用します。ツヤを整え、画面に深みを出す効果もあります。

アクリル

アクリル画は乾燥が早いため、比較的早い段階でバーニッシュを使用できます。
グロス(ツヤあり)とマット(ツヤ消し)で仕上がりの印象が変わります。
展示目的ならUVカットタイプがおすすめです。

アークオアシス 楽天市場店
¥1,633 (2026/03/01 10:13時点 | 楽天市場調べ)

クレヨン・油性色鉛筆

表面に油分があるため、専用のコート剤を使用します。
マット仕上げのものが多く、加筆可能タイプもあります。

クレパス

制作途中で使用するテクニカルコートと、
仕上げ用のフィニッシュコートがあります。
用途を間違えないようにしましょう。

書作品は裏打ち時の滲み防止スプレーがあります。
表層工程に入る前の処理として使用されます。

書道用品の谷口文栄堂
¥1,485 (2026/03/01 10:21時点 | 楽天市場調べ)

まとめ|画材に合わせた正しい保護を

フィキサチーフとバーニッシュは似ているようで役割が異なります。

  • 粉状画材→フィキサチーフ
  • 油彩・アクリル→バーニッシュ
  • 水彩→UVカットタイプ

せっかく描いた作品は時間とともに価値が変わります。

今は自分自身で「たいした作品じゃない」と思っていても、数年後に見返したとき、その瞬間の自分を閉じ込めた大切な記録になっていることがあります。

それに、もしかしたらその作品は誰かにとっての大事な宝物になるかもしれません。正しく保管すれば絵は永く残せるものなので、どんな作品も大切にしたいですね。

私も今になって後悔することがあります。
ちゃんと保護スプレーして残しておけばよかった・・・。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
目次