昨年10月、東京・渋谷のBunkamuraザ・ミュージアムで開催されたピーターラビット展を訪れました。
作者であるビアトリクス・ポターの生誕150周年を記念した展覧会で、直筆原画やスケッチ、愛用品など貴重な資料を見ることができました。
子どもの頃に読んだ『ピーターラビット』の記憶がよみがえり、物語と絵が持つやさしい世界観を改めて感じました。
ピーターラビットは“たった一通の手紙”から生まれた
世界中で愛される『ピーターラビット』は、もともと一人の少年に宛てた絵手紙から始まったといわれています。
病気の少年を励ますために描かれた物語。
はじめから絵本として出版する目的があったわけではありません。
まずは「身近な誰かを喜ばせたい」という気持ち。
そこから物語が生まれました。
創作の出発点は、壮大なテーマでなくてもいい。
身近な人への想いが、やがて多くの人に届く作品になることもある。
何を描けばいいか分からないときは、
まず誰か一人を思い浮かべてみるのもヒントになるかもしれません。
観察から生まれたリアリティ
物語の中の動物たちは擬人化されていますが、動きや仕草は驚くほど自然です。
ポターは幼少期から動物や植物を細かく観察し、スケッチを重ねていました。
かわいらしさの裏には、徹底した観察があります。
対象をよく見ること。
構造や動きを理解すること。
その積み重ねが、説得力のある絵を生み出します。
さらに、彼女のスケッチからはやわらかく温かなまなざしが伝わってきます。
観察とは、単に形を写すことではなく、
自分がどう感じているかを見つめる行為でもある。
ビアトリクス・ポターの言葉
彼女はこんな言葉を残しています。

https://commons.wikimedia.org/wiki/File:Potter_1912.JPG
人はなぜ見るだけで満足できないのだろうか。
私はいてもたってもいられない。
絵に描かなければ。
たとえ酷い出来であったとしても。
描かずにはいられない衝動。
そして「出来が悪くてもいい」という覚悟。
これは根っからの創作者の言葉だと感じました。
上手いかどうかよりも、まず描くこと。
感じたことを外に出すこと。
その姿勢こそが創作の原動力なのかもしれません。
ビアトリクス・ポターから学んだ3つのこと
今回の展示から、私が受け取ったヒントはこの3つです。
- 身近な人が喜ぶ絵を描くこと
- 対象をよく観察すること
- 上手い下手を超えて、感じたことを表現すること
「言うは易く行うは難し」ですが、
彼女の生き方は、創作の本質を教えてくれます。
絵を描くときに迷ったら、
ポターの姿勢を思い出してみるのもいいかもしれません。

