今回紹介する筆はこちら
これから水彩を始める方や、
今使ってる筆を買い替えたい方、
そんな方のヒントになればと思い、おすすめの水彩筆をまとめてみました。
自分も水彩を始めようとした時、画材屋さんに話を聞いたり、描き方の講習会に行ったり、実際に購入して使い比べてみたりと、いろいろ調べました。
水彩筆にはどんな種類があり、どう選べば良いのか。自分の手に合った一本に出会えるようお役に立てれば嬉しいです。
水彩筆に使われている毛の種類
水彩筆に使われている毛の種類は、主に以下の3種類です。
- 天然獣毛
- 人工毛
- 獣毛と人工毛のブレンド
天然獣毛の特徴
水彩筆には、馬・ヤギ・イタチ・タヌキ、そして最高級水彩筆とも言われるコリンスキーなど、さまざまな動物の毛が使用されています。
これら天然毛の表面はキューティクルで覆われており、細かな凹凸があります。
この構造が保水性の高さにつながっていると言われています。
また、イタチやタヌキの毛は内部が空洞構造になっており、しなやかで弾力があるのが特徴です。
人工毛の特徴
人工毛、いわゆるナイロン筆は、以前は「天然毛には及ばない」と言われていました。
しかし近年は技術が大きく進化しています。
その代表が、セーブル毛(イタチ科のクロテン)を模して作られた「リセーブル」
毛の表面を天然毛のようにザラつかせ、保水性を高めています。
天然動物の個体数減少や原毛入手の難しさもあり、こうした人工毛の開発が進んでいます。
余談ですが、絵を始めたての頃「筆なんてなんでも良いだろう」と100均で購入したナイロン筆は含みが少なく、水がすぐ切れてしまい非常に扱いづらかったです。
安価で手に入りやすい反面、水彩特有の滲みやぼかしが出しづらく、「水彩って難しい」と思ってしまいました。
「弘法筆を選ばず」という言葉がありますが、筆ひとつ違うだけで描くことそのものの印象が変わってしまうので、最初からある程度良いものを使った方が楽しめると思いました。
ブレンド毛の特徴
天然毛と人工毛を組み合わせたハイブリッドの筆です。
天然毛の含みの良さと、ナイロンのコシなど、それぞれの良さを組み合わせてバランスの良い筆に仕立て上げられています。
毛の種類や配分の違いで異なる仕上がりになるので、
筆を選ぶ際、何の毛が使われているかなどを気にしてみるのも面白いと思います。
水彩筆の選び方
水彩筆を選ぶポイントは、シンプルに言うと次の3つです。
- ふくみ
- まとまり
- コシ
水彩筆の大事なところは、水分を含んだ時の描きやすさにあると思うので、それぞれの判断材料をチェックするポイントを見ていきます。
形状とサイズに関しては後述します。
ふくみ
水の含みの良さをチェックします。
水をたっぷり含ませ、どれくらい水が切れずに描き続けられるかを見ます。
含みの良い筆は、水を継ぎ足さなくても長く描けます。
逆にすぐ水が切れる筆は、含みが少なめです。
ただし、含みが少ない筆が悪いわけではありません。
かすれを活かすドライブラシには向いています。
私が試した感覚では
リス毛 > コリンスキー > 馬毛
の順で含みが良いと感じました。
まとまり
水を含ませたときの毛先のまとまりを見ます。
毛先がスッと一点にまとまるか、バサつくか。
細密描写やボタニカルアートには、まとまりの良い筆が向いています。
筆の根元に絵の具が詰まって洗っても落ちないものやクセが抜けない筆、まとまりがなくなってきた古い筆などはドライブラシに使うなど使い分けするのも良いと思います。
コシ
筆を軽く押し当て、どれくらい元に戻るかを見ます。
戻りが強いほどコシがあり、シャープな線が描けます。
逆に柔らかい筆はコントロール性重視の表現に向いています。
個人的には、ある程度コシがある方が扱いやすいと感じています。
サイズ
初心者の方はまず「丸筆6号」前後を1本持っておくと安心です。
広い面も塗れ、細い線も描けるため最も汎用性が高いサイズです。
もし余裕があれば
- 4号(細部用)
- 8号(広い面用)
を追加すると表現の幅が広がります。
形状
筆先の形状もさまざまな形がありますが、水彩で扱うのは丸筆(ラウンド)と平筆(フラット)が主な形です。
キャッツタンや刷毛、面相筆なども部分的に使用することもありますので試してみてください。
| 用途 | おすすめ毛質 | 向いてる筆 |
|---|---|---|
| ぼかし・滲み | リス毛・リセーブル | ホルベイン:SQ |
| 細密描写 | コリンスキーなど | 名村:アルキオネ |
| 初心者万能 | リセーブル・ブレンド | アムス:アクアレリスト |
おすすめベスト3
ここからは、私の独断と偏見で選んだおすすめの3本をご紹介します。
どれも購入して、使ってみた感想です。
【1】『SQ』ホルベイン
| おすすめ度 | ★★★★★ |
|---|---|
| ふくみ | ◎ |
| まとまり | ◎ |
| コシ | ○ |
ホルベイン社製、リス毛を使ったブラックリセーブル筆。
天然のリス毛特有の含みの良さが特徴で、クイル形状の軸のデザインも魅力です。
毛先がやや先細りで毛先のコントロールがしやすく、
- ぼかし
- たらし込み
- にじみ表現
などを多用する方におすすめです。
【2】アルテージュ『アクアレリスト』(アムス)
| おすすめ度 | ★★★★☆ |
|---|---|
| ふくみ | ◎ |
| まとまり | ○ |
| コシ | ○ |
画材メーカー・アムスのオリジナルブランド、アルテージュの高保水性ナイロン筆。
柔らかさとコシのバランスが良く、非常に描きやすい筆です。
上記のホルベインブラックリセーブルSQによく似ていますので、こちらから試してみるのも良いと思います。
従来の「硬くて水を含まないナイロン」のイメージを覆してくれます。
【3】名村大成堂 アルキオネ
| おすすめ度 | ★★★★☆ |
|---|---|
| ふくみ | ○ |
| まとまり | ○ |
| コシ | ◎ |
筆の老舗メーカー名村大成堂の牛の耳毛とナイロンのブレンド筆。
ほどよいコシがあり描きやすい。
また軸の加工がしっとりとしていて、握り心地が良くて気持ちいい。
使い終わった筆のメンテナンス方法
使用後は石鹸や筆専用クリーナーで優しく洗い、穂先を整えて下にして吊るして乾燥させましょう。
穂先を上にして乾かすと水が根元に溜まり、筆が傷む原因になります。

終わりに、もし最初の1本を選ぶとしたら・・・
もし最初の1本を選ぶとしたら、アムスのアクアレリストがおすすめです。
価格と品質のバランスも良く、水彩らしい表現を楽しみながら、長く使える1本になります。
それにしても近年のナイロン筆の進化は本当に素晴らしいです。
天然毛は原毛が入手困難などの事情により、廃盤になることがあり、お気に入りの筆が手に入らなくなるということもありますが、リセーブルなどの人工毛ならば、そのリスクは低くなると言われています。
ぼかしやにじみ表現が多い方は、含みの良いリス毛やリセーブル。
細密描写には、まとまりとコシのあるコリンスキー系がおすすめです。
実際に使ってみないと分からない部分もありますが、どれも良い筆ばかりです。
お気に入りの筆が見つかれば嬉しいです。
ではまた。

